ふとん工房かわむら


羽毛布団の基礎知識

羽毛布団の基礎知識


羽毛布団ってなぁに?





「羽根布団欲しいんですけど?」……当店でお越しになるお客様に時々いらっしゃいます。

羽根?羽毛?羽根?羽毛?

そもそも羽毛ってなんでしょう?ネットで検索してみました。

羽毛(うもう)とは、通俗的にはこの語はおもに、羽毛布団やダウンジャケットなどの“詰め物”としての用途に関連して用いられている。そのためこの場合には、広義の羽毛の中でもごく一部のやわらかいもの、いわゆる“羽根毛”(はねげ)とか“ダウン”(英語: down)と呼ばれるものをもっぱらイメージする傾向が強い。(wikipediaより)

ちょっとわかりにくいですね。

というわけで、寝具における羽毛と羽根の違いをご説明しましょう。

羽毛布団の中に水鳥の毛が使われているというのはご存知でしょう。水鳥すなわちアヒルやガチョウのことです。

羽毛と羽根の違い



  • 羽毛(ダウンボール)

    羽毛(ダウンボール)

    水鳥の胸部に密生し、羽軸がなくフワフワとしたタンポポの種子のわた毛のような形をしている羽毛で、ダウンボールと呼ばれます。
  • 羽根(フェザー)

    羽根(フェザー)

    腹部などに生えている少しカーブした羽軸をもつ羽毛。羽根全体がやわらかいので羽毛ふとんに使われます。ダウンと混合され弾力性を発揮します。
    ※翼の部分に生えている羽軸を持った羽毛もありますが、一般的に羽毛掛け布団には使用されません。


羽毛(ダウンボール) 「羽毛ふとん」は、ダウンを50%以上使ったふとんで、50%未満のものは「羽根ふとん」といいます。
「ダウン90%の羽毛ふとん」は「ダウン」が中わた重量の90%「スモールフェザー」が10%詰められています。

羽毛(ダウン)の違い/ダウンの種類で選ぶ






一口に水鳥の羽毛と言っても、大きく分けると二種類あります。
一般的にはアヒル=安価というイメージが強いのですが、実はこの中身がお客様にはわかりづらい。
そもそもこのダウンという代物、生き物から採取するのでそうそう人が思うようにはいかないものなのです。

羽毛(ダウン)の違い/ダウンの種類で選ぶ

羽毛の品質の違い

例えば、当店は和歌山にあります。

和歌山といえばミカンや柿の生産量が全国シェアのトップを競っています。しかし和歌山の中でもAさんの山のミカンとBさんの山のミカン、同じ和歌山でも実は全然違います。

当店は職業柄羽毛布団の中身だけを目にする機会が多くあります。その中で感じるのは、数年前に比べ、いかに羽毛の品質が低下し、価格が高騰したかということ。そしてインターネットによる販売の拡大によって、どれほど品質表示と異なる中身が平気で販売されているかということです。

購入する側はただ明記された内容を信用するしかなく、購入した後は「こんなものか」と納得するしかないわけです。

全てはお客様のために

どうすればお客様に適正な商品、適切な状態、そして適切な価格でのご購入のお手伝いが出来るか。

その為に当店は【一般社団法人 日本羽毛ふとん診断協会】に加入しており、グースと書いて実はダックが入っていたり、どう見ても明記してある内容と違った中身が入った羽毛布団を販売する悪徳業者が後を絶たない中、中立の立場の機関を通すこと、そして自身の目を肥やし、適切な商品をお届け出来るように、これからも私たちはこのモットーを胸に日夜努力しております。

一般社団法人 日本羽毛ふとん診断協会

実際にあった事例





あるA店さんのお話

羽毛診断協会で講習中、あるA店さんが1枚の羽毛ふとんを持参されました。

聞くところによると、その羽毛ふとんは以前そのA店さんが販売されたもの。それをリフォームして欲しいとお客様がお持ちになったものです。客様には良い商品を破格値でお譲りできて、喜んでいただけたと信じて疑いもしなかっただけに、事態を深刻にとらえたA店さんは、その講習機関に原因を解明したいとわざわざ持ち込まれたようです。

この時、明記されていた品質表示内容はポーランド産ホワイトグース、ダウン90%。しかし実際、中の羽毛を調べてみると、半分以上がのダックであったことが判明しました。産地は恐らく中国製ではなかろうかという代物。グース90%というと、ガチョウの胸毛が90%入ってますよ~ということです。

ダウンパワーの信憑性

羽毛の良し悪しを決めるのに、基準となっている項目をいくつご存知でしょうか。

産地?ダウン率?それともゴールドラベル?

しかしこれら全て、実はあまり「あてにならない物」として業界でも問題になっているのです。

この程、かさ高という表示を撤廃し、ダウンパワーなる表記に統一しようという事で業界がこぞってダウンパワーDP表記になりましたが、実はこれもダウンパワーの検査方法によって同じ表記にも関わらず、違っていることがあります。実際に布団を比べてみると分かりますが、同じダウンパワーにも関わらず羽毛によって膨らみが全く違ったりするのです。

検査時にパワーアップ加工をかけて高い数値を出すという悪徳業者も存在するぐらいですので、判別にはかなりの知識と経験が必要となってきます。

そして忘れてはならないのが生地との相性です。せっかくの羽毛も生地が重すぎたり生地感が沿わなっかたりすると良さが損なわれ、台無しになることがあります。すべてはバランスです。羽毛に偏りすぎても生地に偏りすぎても、良い寝心地は得られないのです。

当店ではメーカー主体の商品は販売いたしません。メーカーがいくら儲け販売のためのサービスを付けてきても、気に入らないものはお客様にもオススメしません。それが当店のポリシーであり、変な布団屋だと言われようとも譲れない、持って生まれた感覚なのです。

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