ベッドパッドは必要なし?!今さら聞けないベッドパッドの役割とは?

ベッドの普及率。所帯別では60.1%とアップ。人口比普及は45.3%へ。ベッド生活者は、依然増えており、6割の所帯がベッドを使用する時代となりました。ベッドは、他の耐久消費財と比べても、比較的高い増加率を示しています。

(日本ベッド工業会:調査)

当店でも圧倒的にベッドのお問合せが多いです。しかし、ベッドを使用する上で【ベッドパッド】に対する認識がメーカーでさえ薄いことに驚かされます。そもそもベッドパッドって何のために必要なんでしょうね?


インテリアショップなどでのベッド購入時でも、一応バッドパッド購入を推奨されているようなのですが、何のために敷くのか、いまいち用途がわからないまま同時購入という方が大半で、以前他店舗で購入された際、買ってはいるものの初めて「なんで要るのこれ?」と疑問符を投げかける方が後を断ちません。(笑)なんで要るのかよくわからないまま使用されていますので、お手入れ・耐久年数等もご存じないままです。

まずは、ベッドパッドの役割について検索してみました。

●へたってきたマットレスの寝心地改善
●汚れ防止
●羊毛(ウール)やキャメル (ラクダ)のわたを使用した高価なものは調湿効果がある

そして気になるコメント
※マットレスの寝心地が十分であれば、敢えてベッドパッドを購入する必要はありません。

一般的な見解としてはやはりこうなってしまうのかな〜😢というのが正直な感想です。こうしてベッドパッドが軽視されてしまうのね〜。

しかし私の見解は違います。
ウール・キャメルを高価なものとしてカテゴリー付けしてしまう時点で、ベッドパッドは単なる汚れ防止やヘタリ対策でしか無くなってしまうのですが、本来マットレスは体圧分散、ベッドパッドは生理現象に対応するものでなくてはならないのです。

多くの方が睡眠中200ml汗をかくという話をうたっているのですが、正直ペラペラの敷きパッドや、まして薄いシーツだけで200mlをまかなえるものではありません。

実際、当店でも初めは半信半疑、同じように汚れ防止ぐらいにしか思っていませんでした。しかしある時、縁あってとあるメーカー商品に出会い、まずは我が子を実験台することにしました。(ひどい親^^;)

あのときの感動は今でも鮮明に覚えています。どこかおかしいのではないかと心配した程汗かきだった我が子。当然睡眠時はバケツを引っくり返したような汗をかくので、ノンレム睡眠に至るまでにマットレスはボトボト。これが悩みのタネでした。そのため寝相も悪く、何度顔面や腹部を蹴られ、ベッドの中で行方不明になっていたか…。

しかしそのベッドパッドに変えた途端、マットレスはサラサラ、朝まで定位置に寝ていたのには、はっきり言ってミラクルを感じました。


それがこの、ドイツ・ビラベック社ウールベッドパッド。

 

しかし一つ注意点があります。
ではキャメル・羊毛と書かれていれば何でも良いのか…というと、ここに大きな落とし穴があるのです。

というのも、実はボトボトになっていた時でさえ、羊毛のベッドパッドを使用していたのですから。

ええ〜!???同じ羊毛100%側地綿100%って書いてんのに、なんでこんな違うんだよ?と叫びたくなってしまいましたが、それにはこんな理由があったのです。

 

そもそも羊毛を顕微鏡で見ると、表面はうろこ状になっています。これをスケールと呼ぶわけですが、「呼吸する繊維」と呼ばれるように表皮は、外気の湿気に応じて湿気を吸収・放出します。しかも、湿気は吸収するが水滴ははじくという矛盾した機能をもっています。


左が閉じた状態、右が過剰な湿気を感じてスケールが開いた状態。
そしてこのスケールがあることが羊毛の最大の強みと言えます。そして適度な油分が汚れを弾くのです。

ところが国内製品の大部分が、防縮/フェルト化防止と称してして特殊な加工が施され、せっかくの機能が失われたものがウールパッドとして出回っています。加工方法は大まかに2種類、酸で表皮を溶かすか樹脂でコーティングするかです。いずれにせよスケールが無くなる、もしくは動かせなくなるわけですね。何故そういう加工処理をするに至ったかは、過去の歴史を紐解かねばなりません。

何にしても、ことベッドパッドに関してだけは、この加工はいただけなかったという事です。

生きるための動物の進化は、人間の持つ技術力など到底及びもつかない彼方にあるのでしょう。結果的にあるがままで作ったドイツのビラベック社は、70年もの間ほとんど変わる事なく、世界中で愛される商品を担っているわけです。

というわけで、

羊さん!ありがとう😊アンタはエライ!

お陰で今日も気持ちよく眠れるよ〜♡♡♡

ベッドマットレス しのぎを削る国内各社の思惑①

「寝具がない…。ああ、ベッドを買いに行かなくちゃ!」というとき、皆さんはまず何をされるでしょうか。私の場合を例に取ってみましょう。やはりネットでしょうか。とりあえず「ベッド おすすめ」で検索してみましょう。

大◯家具、おすすめベッド通販、ニ◯リ……と、この辺までは広告ですね。
その下を見ると、ありました。

「おすすめのベッド&マットレス、後悔しない選び方のコツ」

読み進めると、非常に詳しくマットレスの基本から明記されてます。一体どちらのメーカーさんかと思いきや、著者は全くの異業種。

 
  • マットレスにお金をかけるべし
  • 寝心地の99%はマットレスの質で決まる
  • でも、ベッドフレームは絶対に買って!
  • 例外:寝心地を左右するベッドフレームもわずかに存在する
  • 大前提: 身体に合うマットレスは人それぞれ
おっしゃる通〜り!!
この方はブロガーさんのようですので、その後のベッド選択肢には偏りを感じますが、何れにせよ問題提起という部分において、筆者は専門店として大きく頷いてしまいました。

しかしながら、この手のブログ投稿の類は非常に危険な要素が含まれているなという不安も正直あります。そもそも何の実績もなく、他人様の情報をそのまま流用している節が多く見受けられ、真実の中にもっともらしい嘘と憶測が織り交ぜられ、素人が読んで正誤を判断するのはもはや不可能です。

当店のお客様にも年に何度かこういうサイトに汚染された御仁がお見えになります。そこまで調べて最終的な選択がなぜそうなるんだ〜!?と叫びたくなってしまうのですが、一種の洗脳状態になっているので、間違いを御納得いただくのにかなりの時間を要してしてしまい、正直こちらも心底疲れます。(汗)

例えば、上記のブロガーさん。よくここまで調べてるな〜と感心いたします。

が!!しかし!!

そもそもこの人は誰???よく見も知らない赤の他人様、しかも何の責任も取る必要のない、更には顔も見えない人物の言うことをよく信用できるわね〜っと。ほんと不思議でならないのです。この方の選択肢は90%以上メタル(金属)スプリングマットレス。それ以外の選択肢がほとんどありません。業界をなめてもらっちゃ困ります!要するにこの方の情報は、ちょいと検索すればそこかしこに転がっているネット上の、中でも非常に限られた情報を、単に集計してそれらしく見せているだけという事なんですね。

要するに現場の声がないという事。

実際足を運んで調べたわけでも、ユーザーの声を集計したわけでもなく、現実味を帯びているのは自身の感想だけなのです。大前提として身体に合うマットレスは人それぞれと言いながら、結局主観で結論づけているという…この矛盾しまくりのブログが月10万人の目に止まっているかと思うと、なんだか頭が痛くなってきます。

これが全くの善意で無償の情報提供ならまだしも、彼らはここから広告収入を得ているわけですからタチが悪い。

モノの良し悪しってもっと奥が深いのです。なぜあえてこっちを奨めるのか、なぜこの商品を店頭に置かないのか、主観が入っていないというと嘘になりますが、我々が一人ひとりの顧客に対して提案を変えるのは、ずっとずっと深いふか〜いところに、店舗に足を運んでくださったお客様への愛情があるのです。

そして、それこそが専門店としてのプライドであり、譲れないポリシーでもあるわけです。